2024年の倒産件数は1万件近く
まずは2024年の倒産件数がどれくらいだったのかを見てみよう。今回は企業の信用調査などを行う帝国データバンクによる、負債1000万円以上の法的整理による倒産を対象とした調査を参考にする。
調査によれば、2024年の倒産件数は9901件、倒産による負債総額は2兆2197億円だった。倒産件数の推移を見ると、年間件数で過去最大を記録したのは1980年代前半で、2万件を超えた年もあった。
その後バブル景気もあって5000件程度に減少。しかしバブル崩壊後、倒産件数は再び増加し、1990年代後半には2万件近くになった。その後はリーマンショックで一時的に1万件を超えることがあったが、おおむね1万件未満で推移している。
また倒産による負債総額は2000年に過去最高の21兆8390億円を記録。当時は生命保険会社や小売業の大型倒産が相次いだ。こちらも2013年以降は2兆円前後で落ち着いている。
過去の景気後退期や金融危機の時期に比べると2024年の倒産件数や負債総額は決して高い水準ではない。しかし2021年以降、倒産件数は3年連続で前年を上回っているのも事実だ。