三菱アセット・ブレインズがまとめた2024年11月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の資金流入額ランキングでトップ4は前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「アライアンスB・米国成長株投信 D」「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」だった。トップ4は順位の入れ替わりはあったものの、この4ファンドがおおむね2024年の売れ筋のトップ群だった。「米国株」と「全世界株」のインデックスファンド、アクティブファンドを代表する4本といえる。2024年の年初はインデックス、アクティブともに「全世界株」が優位で始まったが、年末は「米国株」が優位になったことが特徴的な動きだった。また、12月にはトップ20に上位圏外から新たにランクインした銘柄が多い。
◆「オルカン」「S&P500」「AB米国成長株」「世界のベスト」の順位に変化
資金流入上位銘柄の過去3カ月の資金流入額の推移は、インデックスファンドの2トップにおいて、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が10月1342億円、11月は1683億円、12月は2005億円。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は10月1493億円、11月は1587億円、12月は1820億円となった。11月に「全世界株式(オール・カントリー)」の流入額を「米国株式(S&P500)」が抜いてトップに立ち、12月には流入額の差を広げる動きになった。
一方、アクティブファンドの2強では、「アライアンスB・米国成長株投信 D」が10月721億円、11月は1022億円、12月は1239億円となり、「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」は10月に520億円、11月は687億円、12月は806億円の資金流入になった。こちらも、それぞれ資金流入額が月を追うごとに増額している。アクティブファンドでは「アライアンスB・米国成長株投信 D」が2月以来3位の座を堅持。7月には1675億円の資金流入額を記録した。「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」は1月こそ、515億円の資金流入額で第3位につけたものの、2月に第3位を「アライアンスB・米国成長株投信 D」に譲ると第4位になれない時もあるなど安定しなかった。
10月と12月で月次の資金流入額を比べると、「アライアンスB・米国成長株投信 D」は71.8%も流入額が増大し、「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」も55.0%増しになった。これに対し、インデックスファンドの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は49.4%の増加にとどまり、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は21.9%しか増えていない。資金流入の勢いはインデックスファンドよりもアクティブファンドの方が優勢だ。この勢いが2025年も継続するのだろうか? 12月には新たなファンドが資金流入額上位に食い込んできている。米国のトランプ政権誕生によって従来とは異なる政治の動きが経済に影響を与えることも考えられるため、今後を見通すことが難しくなっている。