インド消費関連市場の見方とイーストスプリングの運用力
「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」を設定・運用するイーストスプリング・インベストメンツは、インドの消費関連市場について「世界最大の人口大国であるインドは、経済成長が加速しやすい人口ボーナス期にある。人口増加、所得水準の向上により、爆発的な消費拡大が見込まれているが、GDPの約6割を個人消費が占め、消費が経済成長を支えているともいえる。セクター別の株式指数の推移を見ても、消費関連セクターが長期にわたってインド株式市場の上昇をけん引してきた。特に昨今では所得増加にともなって、より上質で高価なものを求める『消費のプレミアム化』に加え、『消費のデジタル化』が急速に進んでいることも、消費拡大を後押ししている」(取締役営業マーケティング本部長 面谷祥友氏)と解説する。
そして、インド国内で進む「投信積立制度(SIP)」を通じた投資の拡大にも注目している。「SIPを通じた投資は毎月20億米ドル以上が株式市場に流入しており、こうした国内投資家の力強い資金フローが株式市場を下支えしている」(面谷氏)と、インドの個人消費の1つの発露である「SIP」の発達が、インド株式市場全体の底上げにも寄与しているようだ。「SIP」は2014年頃から市場で注目されはじめ、徐々に存在感を増してきているという。
好調が続くインドの消費関連の中で、「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」が銘柄を選定するポイントは、「特定の指標にとらわれるのではなく、徹底したボトムアップ分析に基づき、長期で良好なリスク調整後リターンを生み出すビジネスを特定することを重視。当ファンドでは GARP(Growth at a Reasonable Price)※アプローチにより、中長期の成長性から見て適正な株価水準と判断される銘柄に投資している」(面谷氏)という。
そして、徹底したボトムアップ分析を同ファンドの運用チームに提供している「ICICIAM」は、イーストスプリング・インベストメンツの所属する金融グループの最終親会社とインド国内最大級の民間銀行ICICI銀行との合弁会社で、運用会社としてもインド最大級の規模を持つ。規模と実績のあるところに情報は集まる傾向にあり、「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」が国内のインド株ファンドの中で頭一つ抜けた運用成績を残している背景の1つになっている。
※成長性と割安性の両方を重視した投資手法
インド経済の中長期的な成長期待は不変
イーストスプリング・インベストメンツでは、当面の運用環境の見通しについて、「短期的には、グローバルの投資環境の不透明感などからボラティリティの高い展開となる可能性がある」と警戒感を持っている。ただ、中長期的には「インド国内では、政府が支出を再び加速し、インフラ開発の進展など予算消化が進むと予想されるため、企業業績回復、消費回復など、経済が再加速する可能性がある」と分析する。
なお、バリュエーションの観点からは、「株価が調整された大型株には投資妙味があるとみているが、依然として割高感のある中小型については注視が必要だと考えている」としつつも、「長期的には米中の地政学的な緊張の高まりから、インド経済は恩恵を受ける可能性がある。インドはこれまでも新興国平均を上回る高い経済成長を実現してきた。2024年以降も相対的に力強い経済成長を背景に企業の利益成長も高い伸びが予想されており、インド株式は今後もさらなる上昇が期待される」(面谷氏)と明るい見通しを持っている。
中長期の経済成長に裏付けされたインド株式の上昇、なかでも、インドの消費関連企業の成長に投資する「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」は今後も魅力的な投資対象であり続けそうだ。