ミライ研で実施した調査内容をもとに、今回のコラムでは「生活満足度」をベースとした居住形態について考察していきたいと思います。前回のコラムでは、住まいの終着点を「持ち家」としている方が多いことがわかりましたが、賃貸・持ち家それぞれの居住形態でそこに住まう方の生活満足度にはどのような違いがあるのでしょうか。

●参考記事:60代の持ち家住宅率は73.2%…住まいの終着点に「賃貸」より「持ち家」が選ばれているワケ

生活満足度を年代別に見てみると?

初めに「生活満足度」についてですが、今回の調査では「ウェルビーイング」に資する5つの項目(キャリア・ソーシャル・ファイナンシャル・フィジカル・コミュニティ)を現在・将来それぞれのスコアをヒアリングし、その平均値を「現在の生活満足度」と「将来(5年後)の生活満足度」として算出しています。まずは年代別での結果をみてみましょう【図表1】。

20歳代は現在(4.90)・5年後(5.41)と、現在・過去どちらの生活満足度も高いことに加え、5年後への期待感が全年代で最も高い結果となりました。逆に30歳代から50歳代では、20歳代と比較して現在・5年後の生活満足度は劣後しています。60歳代では、5年後の生活満足度が現在を下回るものの、現在の生活満足度が全年代の中で最も高くなる結果となりました。

一般的な目線として、20歳代では新たなライフステージ到来への期待感、30歳代以降では公私双方様々なライフイベントに奔走する現実的な目線、60歳代の退職時期を迎え今後の不安は持ちつつも足元の安定感、と各年代の事情が生活満足度に反映されていることが伺えます。

【図表1】年代別生活満足度

(出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)よりミライ研作成