さらなる拠出限度額引き上げが検討されている…!?

そして、この年の瀬に飛び込んできたニュースが、2025年度の税制改正において、政府・与党がiDeCoの拠出限度額を全体的に引き上げる方向で話し合っているということです。

この原稿を書いている時点では、まだ詳細は明らかになっていませんが、以下のようになると言われています。

1.第1号被保険者は現在の拠出限度額である月額6万8000円から7万5000円に引き上げる。

2.第2号被保険者は2万円を上限にして、各月の企業型確定拠出年金の事業主掛金額+確定給付企業年金等他制度掛金相当額との合計が5万5000円に達するまでが限度額だったのを、6万2000円に引き上げる。また現在は、確定給付企業年金などの内容次第では、5万5000円の合計限度額に達せられないケースもあるので、iDeCoの拠出限度額自体を現在の2万円からさらに引き上げる。

3.勤務先に企業年金がない会社員の拠出限度額を、現在の月額2万3000円から6万2000円に引き上げる。

もちろん、この政府案を与党との間で審議したうえで、最終的には2025年度税制改正大綱に盛り込まれることになります。

2025年度税制改正大綱に盛り込まれると考えられる、iDeCoの拠出限度額引き上げは、同制度の魅力を一段と高めるものになりそうです。

たとえば3の月6万2000円の拠出によって、所得税や住民税がどの程度軽減されるのでしょうか。あくまで、iDeCoによる税負担の軽減の程度を把握するための簡略的な計算になりますが、課税所得400万円、所得税率20%、住民税率10%という設定で考えてみましょう。

月6万2000円の拠出限度額一杯までiDeCoに掛けた場合、年間の掛金は合計74万4000円で、これをそのまま所得から控除できます。

その場合……
74万4000円×20%=14万8800円(所得税の負担軽減)
74万4000円×10%=7万4400円(住民税の負担軽減)

1年間で実に22万円超もの負担軽減が期待できます。