老後資金2000万円問題や新NISA開始もあって、今までにないと言えるほど多くの人が資産形成に関心を寄せています。

しかし、そうしたムーブメントがあれば、必ず現れてくるのが「ネットにあふれる玉石混交の金融情報」。こうした状況に対し、元・金融庁官僚でマネックスライフセトルメント代表取締役の我妻佳祐氏は、「ほんとうに必要な金融の知識は、それほど多くもない」と警鐘を鳴らします。

そんな、“必要最低限の金融知識”を説く話題の書籍『金融地獄を生き抜け 世界一簡単なお金リテラシーこれだけ』から、投資信託の選び方について解説した箇所をお届けします。(全4回の3回目)

●第2回:「安く買って高く売る」はほぼ無理…「資産形成はインデックス投資信託でOK」といえる“これだけの理由”

※本稿は、我妻佳祐著『金融地獄を生き抜け 世界一簡単なお金リテラシーこれだけ』(幻冬舎)の一部を抜粋・再編集したものです。

インデックス投資信託の利回りはどの程度か

もちろん、どんな未来予測にも「絶対」はあり得ません。「絶対に当たる馬券」がないのと同じように、投資のリスクをゼロにすることは不可能です。

したがって投資家にできるのは、確率を考えて可能なかぎりリスクを小さく、リターンを大きくすることだけ。そして、いま多くの日本人が考えなければいけないのは、「貯蓄」と「投資」のどちらが得かということです。

インデックス投資信託にもさまざまな種類があるので、その利回りは一概にはいえませんが、日本国内のTOPIXや日経平均株価に連動するタイプの近年の実績を見ると、最近の急激な株価上昇もあり、5年間で毎年10%以上の利回りを達成しています(2024年5月現在)。たった0.1%の銀行預金とは比較になりません。銀行預金では100万円に対して毎年1000円の利子しかつかないのに、インデックス投資信託ではそれが10万円以上になる計算です。