やってみないとわからないことだらけ
例えば、日本でもデブリ(宇宙ゴミ)を回収するスタートアップのアストロスケールや、実業家の堀江貴文氏が創設したインターステラテクノロジズなどに対して、政府が大規模な補助金を投じ始めています。大企業でも、花王は宇宙で使える水不要のシャンプーを開発し、三井住友海上火災はロケットや人工衛星の損害などを補償する宇宙保険を提供しています。
なぜ早いタイミングで宇宙分野のリスキリングに注目していただきたいかというと、今までの常識が通用しない中、やってみないとわからないことだらけで、早く飛び込んでノウハウを習得したもの勝ちという側面があるからです。
例えば、2024年1月にニュースサイトのForbes Japanに掲載された記事に、「『宇宙空間で育てたレタス』に食中毒のリスク、米研究者が指摘」というものがありました。デラウェア大学の最新の研究で、「宇宙空間の無重力の環境で栽培されたレタスは、地球上よりも大腸菌やサルモネラ菌などの細菌に感染しやすい」ということが判明したそうです。これから宇宙旅行や宇宙で生活する時代になった際に、こうした予想外の新たな事実が判明し、その中で新たな事業を構築していく必要があるわけです。
こうした宇宙関連の製品やサービスに関わるには、当然、宇宙分野の知識を新しく学ぶ必要があり、これから未開拓の新しいスキルが次々と生まれていくことが予想されます。
中高年リスキリング
著者名 後藤 宗明
発行 朝日新聞出版
価格 990円(税込)