「自分で調べて、自分でやってみる」

デジタル分野のスキル習得において、まず目指すべきは、周囲に迷惑をかけない「使える」レベルです。新型コロナウイルス感染症によるロックダウンにより、デジタルツールの活用は大きく進歩し、Zoomを活用したオンライン会議などが一般的になりました。ところが、中高年、特に役職が高い方の中には周囲のスタッフがすべて事前にセッティングして、自分は画面の前に座っているだけ、実際に使うことができないという方が多いのも実情です。定年後の転職など、環境変化を視野にいれると、自分でデジタルツールを使えるようになっていないと、一般的な求人応募の際には大きなハンディキャップとなります。

特に習慣として身につけるべきは、「自分で調べて、自分でやってみる」という基本的なことです。例えば、トラブルシューティングが必要な際、人に聞いてやってもらうと永遠に解決方法を覚えないわけですが、自分で調べて自分で解決しようとやってみると、次に問題が起きたときに自分で対応ができるようになります。

ここで、最低限知っておきたいこと、自分一人でできるようになっておいたほうがよいことを挙げておきます。

《知識》
• AIの基礎理解と最新情報(ディープ・ラーニング、生成AI等のニュースを読んで理解できるレベル)
• 自分の所属する業界×テック(フィンテック、アドテク〈AIなどの情報技術を活用した広告サービス〉、エドテック〈AIなどの情報技術を活用した教育サービス〉等)の最新情報。もし可能であれば、自社のベンチマークとなる海外企業や競合企業の利用状況
•その他、テクノロジーの基礎(IoT、ブロックチェーン、メタバース、VR/AR等)《ツール》
•Microsoft365等のビジネス文書を扱うサービス
•クラウド上での文書作成や修正
• OneDriveやGoogle Drive等の保存フォルダの活用と書類の共有
•Slack、Microsoft Teams、Chatwork等のコミュニケーションツール
•Zoom、Microsoft Teams等のオンライン会議ツール
•PDF等のオンライン記入や署名
•クラウドサイン等のオンライン契約
•DeepL等の自動翻訳ツール
•ChatGPT等の生成AI
•最低限のSNS活用

《設定・管理》
•2段階認証の設定(Google Authenticator、生体認証等)
•Slack等、仕事で使っているアプリのスマホ設定
•一般的なトラブルシューティング

●第3回は【8人に1人しかいないグリーンスキル取得者、急速にニーズの高まる環境分野でのリスキングの進め方】です。(12月17日に配信予定)

中高年リスキリング

 


著者名 後藤 宗明

発行 朝日新聞出版

価格 990円(税込)