空き家は相続放棄すれば管理義務はなし

また逆に、相続放棄者がまったく管理しなくていいとすると、その不動産は管理不全の状態に陥ってしまうリスクがあります。

そこで、2021年の民法改正により、2023年4月1日から、相続放棄者による財産の管理義務に関するルールが変更されました。

その不動産を管理しなければならないのは、相続放棄をした者のうち、放棄時に財産を現に占有していた者に限られることとなり、義務の内容も、保存義務(財産を滅失させ、または損傷する行為をしないこと)に留まることが明確となりました(民法940条1項)。

これによって、現在住んでいない家(空き家)の場合、相続放棄すれば管理義務はない、ということになりました。

なお、相続財産清算人は、以前は相続財産管理人という名称でしたが、2021年の民法改正によって名称変更されました。

現在では相続財産管理人という呼び方は単に遺産の保存をする場合の名称として使われています(民法897条の2)。

●第2回は【遺言書に「すべて長女に相続させる」…他の相続人に遺産を渡さなくても法律上は有効なの?】です。(11月28日に配信予定)

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