住民税がかからない年金の壁
女性が繰下げするのであれば、住民税非課税枠を超えない金額。大都市部であれば、155万円まで増やすのを目標にすると良いと思います。
年金155万円というのは、年金の壁といわれるもので、その金額を超えると、住民税がかかってしまいます。年金の壁とは、住民税非課税世帯になるかどうかの境界線になる年金収入額のことをいいます。
地方になると、年金の壁はさらに下がります。その壁を越えてしまうと、住民税や、所得税だけでなく、健康保険料や介護保険料も上がってしまいます。繰下げするときは、そういったことにも注意が必要です。
もう一つは、女性の方が男性よりも平均寿命が長いからです。年金は、たとえ夫婦でも、夫が先に亡くなったからといって、夫がもらうはずだった年金をそのままもらえるわけではありません。
妻だけ繰下げるのは、夫より年金が少ないケースが多い妻のためのリスクヘッジにもなるのです。
また、先に夫が亡くなった場合を想定しても、妻が年金を繰下げておいた方がいいのです。というのも、妻がもらう遺族厚生年金には、夫が繰下げ受給して年金を増やしていた分は反映されません。金額は65歳時点の年金額で計算されます。
夫婦でどちらかの年金を繰下げるときは、妻の年金の繰下げを検討するのが良いと思います。実際、私が運営するYouTubeチャンネル視聴者の方は、妻の年金を繰下げる方が多いようです。
●第3回は【年金繰下げ受給「長生きしないと損する?」にアンサー。“損益分岐点”はどこにあるのか】です。(11月30日に配信予定)
もらう×増やす×出費を減らす 年金最大化生活
著者名 社労士みなみ
発行 アスコム
価格 1,600円(税込)