「平均を目指す」と「平均以上を目指す」はどう違う?
それぞれの運用を、日経225をベンチマークとする商品を例にして考えてみましょう。
まずインデックスファンドの場合、ベンチマークである日経225に近い構成銘柄で運用して、その平均を目指します。一方アクティブ商品では、投資のプロであるファンドマネージャーが各企業を調査・分析した上で銘柄選択を行い、ベンチマークである日経225に勝つことを目指します。
日経225といっても個別に銘柄を見ていくと、100%よりもっと上昇する銘柄もあれば、数十%を超えて下落する銘柄もあるなど、大きく開きがあります。こうした成績の良い銘柄も悪い銘柄も、すべてを含めて「平均」を目指すのがインデックスファンドです。ここでもし「もう少し選び抜かれた銘柄に投資して、高いリターンを狙いたい!」と感じたのであれば、その場合はアクティブファンドも検討していくことになります。
アクティブファンド選び=運用会社選び
前述の通り、アクティブファンドは特定の指数に勝つことを目指して運用会社が銘柄を選んでくれる点が特徴です。ということは、アクティブファンド選びとはすなわち「運用会社選び」でもあるということ。
長期的に稼いでくれる(信頼できる)運用会社を選ぶためには、運営管理機関や運用会社が提供している資料や、インターネットなどで情報を集めることが欠かせません。情報収集の際は次のポイントを意識して見ていくと良いでしょう。
<情報収集における注目ポイント>
定量評価:過去のリターン実績を見る。信託報酬控除後のリターンやベンチマークとなる指数があれば、その超過収益率を見てコストパフォーマンスを確認する。コストの高さだけでなく、リターンからコストを引いた信託報酬控除後のリターンを見る
→ベンチマーク(またはインデックス商品)以上のリターン実績か?
→ベンチマークがない場合は、自分が目指すリターン水準と比べてどうか?
定性評価:今後のリターンが期待できるかを見る
→商品性(運用方針・投資対象・運用スタイル・コスト)はどうか?
→運用力(運用体制・運用プロセス)はどうか?
以上、アクティブファンド選びのポイントについて解説しました。
企業型確定拠出年金では運営管理機関により提供されている情報が十分ではないケースもあり、その場合は定性評価の難易度が高くなってしまいます。手元にある教材だけでなく、自分で様々な情報にアクセスすることが重要です。
「自分はやっぱり自信がないな……」という方はアクティブファンドを選ばないことも選択肢となりますが、せっかくここまで情報を集めたのなら、「ある程度の知識不足は開き直って少額から購入してみる」のも良いかもしれません。
まずは自身で情報収集できる範囲の情報で判断して少額からでも保有してみれば、経験が積めます。毎日でなくても、3カ月~半年に1回ほど運用成績や「なぜそうなったか」を確認することで、「こういう状況ではこう動く」という感覚が培われます。走りながら覚えた感覚を研ぎ澄ますことができれば、アクティブファンドを活用して「勝つ確率」を上げられるのではないでしょうか。