食品値上げはまだまだ続く、2025年は1000品目超に
最後に食品価格の今後の動向を見ていきたい。止まらない食品値上げに「そろそろ勘弁してほしい……」とつぶやきたくなる人も多いだろう。結論から言えば、残念ながら2025年も値上げは続く見通しだ。
同社の調査・分析によれば2024年、最も大きかった値上げ要因は、「原材料高」(92.7%)だった。「物流費」(68.5%)や「包装・資材」(66.6%)が続いている。
この傾向は2025年も続く見込みで、特に「物流費」や「包装・資材」は、2024年を大きく上回る水準で推移しているという。
原材料価格においても、製粉各社で2025年以降に値上げが行われる予定だ。小麦粉(薄力粉系)が主な対象で、パンや洋菓子、加工食品を中心に広く影響が及ぶ可能性もある。人件費の高騰も悩みの種だ。最低賃金の大幅引き上げが、人件費由来の値上げにつながることも予想されている。
また、値上げ予定品目数も増える見通しだ。「1000品目超」(2024年10月末時点)に及ぶとされる。これは前年同時期時点で判明した24年の値上げ予定品目数を上回る数字だ。
ここまで見てきたように、「値下げ」や「価格据え置き」につながるような好材料に乏しいのが実情だ。そのため同社は「2025年も粘着質な値上げの継続が見込まれる」と分析している。冷静に対処するためにも、今後の動きを注視したいものだ。
《調査概要》 定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年11月