単身者と家族あり「資産が減った理由」トップは?

60代単身者の資産が減った理由1位は「定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」が約半数。2位「その他」、3位「株式や債券の評価額減」と続き、4位は「耐久消費財の支出」でした。同率4位には「旅行、レジャー費用の支出」もランクイン。50代同様、楽しみにもお金を使うアクティブな60代単身者の傾向が見えました。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※金融資産保有世帯、実数73、複数回答)

1位    定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから    49.3%
2位    その他    31.5%
3位    株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから    20.5%
4位    耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから    12.3%
4位    旅行、レジャー費用の支出があったから    12.3%

続いて、二人以上世帯の資産が減った理由です。1位は「定収の減少による金融資産の取り崩し」が約60%と以下を大きく引き離しました。今まで築いてきた資産を取り崩しつつ日々の生活送っていることが調査結果にも表れています。

2位は「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入」が約20%。3位以降はばらけており、「その他」「旅行、レジャー費用の支出」などが続きます。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※金融資産保有世帯、実数191、複数回答)

1位    定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから    60.2%
2位    耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから    19.9%
3位    その他    19.4%
4位    旅行、レジャー費用の支出があったから    11.5%
4位    株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから    11.5%

「増えた資産を元本保証に振り向ける」、タイミングとバランスに注意

今回の調査結果では60代の8割が金融資産が「増えた」か「変わらない」ということでした。理由のトップに株式や債券価格の上昇が大きかったということがあり、60代といえどもすぐにすべてを元本確保型商品に切り替えるわけでもないようです。

とはいえ、金融商品を選ぶ基準1位は「元本保証がされているから」と、徐々に運用商品を値動きの大きいリスク性資産から元本確保型へとシフトとさせていく意向はやはり伺えます。どんな商品が実際に選ばれているかは別記事にて解説しています。

【60代】金融資産保有額ランキング!「3000万円以上」ある世帯の割合は? どんな商品を持っている?

増えた金融資産を「減らさない」ため元本確保に勤しむ一方で、旅行やレジャーにも支出するなど、生活の中に楽しみを見つけて過ごしている60代。今後は保有資産をどんな商品で何割ずつ持つかといったバランスや、いつシフトさせていくかなどのタイミングが大切になります。迷っている人は専門家に相談するなどプロの意見に耳を傾けても良いかも知れません。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会) 調査時期/令和5年6月23日~7月5日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査