若年層の貯蓄が進んでいない。
同社が行う調査で、毎月の平均手取り額を問う質問では、20〜30代の男女では、30万円未満の層が大部分を占めていた。「20万円以上30万円未満」と答えたのは183人(37.6%)、「20万円未満」と回答したのは181人(37.2%)と、両者を合わせると30万円未満の手取り層が74.8%いた。
結果を受け、同調査では「大多数の若年層が日常のやりくりや貯蓄が限られた状況で、日々の生活費を捻出することに追われ、資産形成を進める余裕が少ないことが推察されます」と指摘している。
最も多かった手取りが「20万円以上30万円未満」と答えた人のなかで、毎月の貯金額を問う質問に対して、「2万円以上3万円未満」(16.94%)が最も多く、次に「3万円以上4万円未満」(15.85%)、「1万円以上2万円未満」(15.30%)と明らかになった。
現在の貯蓄額を問う質問では、「50万円以上100万円未満」(15.30%)が最多で、「300万円以上500万円未満」(12.57%)、「1000万円以上」(12.02%)だった。
手取り20万円未満と回答した人たちはどうだろうか。
毎月の貯蓄額を問う質問では、「1万円未満」(45.30%)と最も多く、次に「1万円以上2万円未満」(13.81%)、「2万円以上3万円未満」(13.26%)と続いた。
また、現在の貯蓄額は「1万円未満」(28.18%)が最多で、「1万円以上10万円未満」(12.20%)、「100万円以上150万円以下」(9.76%)とだった。
一方で、全体の約15%にあたる、手取り額が「30万円以上40万円未満」の20〜30代男女は、、毎月の貯蓄額が「4万円以上5万円未満」(22.67%)が一番多く、「5万円以上7万円未満」(18.67%)、「3万円以上4万円以下」(14.67%)と続き、高額の貯蓄が可能だと明らかになった。
貯蓄残高では、「1000万円以上」(16%)、「300万円以上500万円未満」(14.67%)、「100万円以上150万円未満」(13.33%)だった。
同調査では、「この層では、比較的高額の貯蓄や投資を行い、積極的に資産形成を進めていることが伺える」と述べており、「さらなる資産の増加を目指して、少しリスクを取ったアクティブな投資を検討する価値があるかもしれない」とした。
調査を通じて、手取り収入が多い層では、投資に対する意識も高く、貯蓄だけでなく投資を通じて資産を増やそうとする傾向が強まったことが明らかになった。特に、NISAや積立NISAを利用した長期的な資産運用は、若年層においても人気が高まりつつあり、株式投資や投資信託といった選択肢が一般的になっている。短期的な利益よりも、長期的に安定した資産を築くことを重視している若者が増えているという。
一方で、貯蓄が難しい層でも、小額から始められる積立型投資に興味を持っている人も少なくはなく、小額投資を始めることで将来的な資産形成を目指す動きが見られている。特に、定期的な収入が少ない若者にとって、少額からの積立は現実的な選択肢とも言え、リスクを抑えながら資産を増やしていくための有効な手段となっている。
《調査概要》「年収と貯金額・投資額の調査」に関する調査 ■調査期間 2024年8月8日~2024年8月9日 ■調査方法 第三者機関によるインターネット調査 ■調査人数 500人 ■調査対象 20代〜30代の男女