iDeCoがいくらになるのか確認しよう

次に、受け取ることができるiDeCoの金額がいくらになるのかを確認してみましょう。中村さんは、54歳から6年間、iDeCoに毎月1万5000円を拠出しており、運用利回りはおよそ2.5%とのこと。

トータルで積み立てた元本は約108万円です。運用利回り2.5%でシミュレーションすると、現時点での運用益は約8万円、運用結果は約116万円となります。

このままの利回りで運用を続けられたとして、中村さんが65歳で一時金として受け取る場合は約130万円と見込まれます。年金として受け取る場合には、5年間で毎年約26万円、10年間で約13万円、15年間で約8万円、20年間で約6万円です。

上記は65歳から受け取るケースですが、例えば同じ5年受取であっても、健康であれば働くことができる65歳からではなく、70歳から受け取るという選択を検討しても良いでしょう。その際は70歳まで非課税で保有を継続できます。ただし市場動向によって利回りが変化することは念頭に入れておきましょう。

公的年金の繰下げ受給を検討するのもあり?

中村家のセカンドライフを送るための資金は、預貯金+退職金で1100万円。公的年金は年間で255万6000円。iDeCoを一時金として受け取る場合には約130万円です。

ただし、もう少し受け取る年金額を増やしたいと考えているなら、年金の繰下げ受給を検討しても良いでしょう。公的年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金がありますが、別々に繰下げることができ、66歳に繰り下げたときには8.4%増額、最大75歳に繰下げたときには84.0%が増額される仕組みになっています。

60代はまだまだ働くことが可能な年代です。繰下げ受給を視野に入れるのは有力な選択肢ではないでしょうか。