世界の富裕層はどんな商品に投資しているのでしょうか?

約20年間、国内外の富裕層の資産運営を手がけてきた世古口俊介氏は、「世界の富裕層にとって、もっともポピュラーな投資先が米ドル債券」といいます。

これまで第1回目、2回目で、米ドル債券の魅力やリスクについて世古口氏に解説してもらいました。今回は、富裕層に人気の具体的な銘柄を紹介します。(全3回の3回目)

●第2回:投資元本がゼロになる可能性も…!? 「米ドル債券=安全性が高そう」の過信に潜む落とし穴

※本稿は、世古口俊介著『富裕層のための米ドル債券投資戦略』(総合法令出版)の一部を抜粋・再編集したものです。

米ドル債券の具体的な銘柄一例

本章の最後に実際に富裕層に人気の米ドル債券(米国債・普通社債)の具体的な銘柄の一例をご紹介します。

下図の銘柄リストは、米国債・普通社債を合わせて7銘柄のリストにしています。前述の発行体や種類、残存期間、格付け、利率、価格、利回りなどの米ドル債券に投資するかを決めることに必要な情報が記載されています。

 

証券会社は実際には100銘柄以上の債券を取り扱っていますが、富裕層が選びやすいようにニーズに合った債券だけをピックアップし、銘柄候補リストを作って提案するのが一般的です。

No.1とNo.2は米国債です。

残存期間は15.1年と29.8年の債券になります。

米国債はどこの証券会社もラインナップが豊富で、だいたいの残存期間の米国債が存在しています。米国債は格付けAA+と非常に高く、信用力が高い債券なので、残存期間が長い債券を選ぶ富裕層が多いです。2024年4月時点の利回りは、だいたいどの期間の米国債も4%前後になります。

安全性を最優先に考える富裕層に一番人気なのは間違いなく米国債でしょう。