住宅ローンについても考えてみよう
現在、住宅ローンの残債は100万円あります。毎月支払い続けることはできるかもしれませんが、負債はできるだけ早い段階で片付けておいた方が精神的にも安心ではないでしょうか。
川口さんには預貯金はありませんので、60歳時点での住宅ローンを一括返済するときの返済の原資となるのはiDeCoです。iDeCoを一時金として受け取った場合は約425万円ですので、100万円分を返済に回すと、残りは約325万円になる計算です。
もちろん、iDeCoを年金として受け取ることもできるのですが、その場合は毎月の収入から住宅ローンを返済し続けなければなりません。
川口さんはできるだけ早く完済したいと考えているとのことですから、iDeCoは一時金として受け取ることが、最も負担が少なく済む受け取り方法と言えるのではないでしょうか。
国民年金の受け取り方を検討しよう
国民年金は65歳から受け取れますが、川口さんは自営業のため、65歳以降も働き続けることが可能です。アーリーリタイアメントを考えていないなら、年金の受け取り時期を先送りする、「繰下げ受給」を検討しても良いかもしれません。
繰下げ受給は、最大で75歳まで受け取り開始時期を先送りすることができ、先送りするほど、年金額が増額されます。具体的には、70歳で受け取る場合は42.0%増、75歳で受け取る場合は84.0%増になります。
繰下げ受給を選択した場合、1人当たりの金額は70歳では年間約115万8000円。75歳では年間約150万1000円です。
夫婦それぞれに国民年金が支給されますので、どちらか1人の国民年金のみ繰下げ受給を選んでも良いでしょう。