岸田首相、自民総裁選に不出馬

岸田首相が次期総裁選への出馬を辞退しました。現在、自民党総裁選に向けて、候補者が手を挙げている最中ですが、3年間続いた岸田内閣の功績はどうだったのでしょうか。フィナシー的な視点から考えた時、第一次岸田内閣が誕生した2021年10月4日から現在(2024年8月26日)に至るまでに、岸田内閣が打ち出してきた政策が、私たちの経済的メリットを大きくしてくれるものだったのかどうかについて、考えてみましょう。

岸田内閣が打ち出してきた政策のなかで、フィナシー的に最も関心が高いのは、やはり「資産所得倍増プランの推進」でしょう。首相官邸のサイトによると、

「家計における貯蓄から投資へのシフトを促進しつつ、中間層を中心に安定的な資産形成の実現を目指します。長期的には、資産運用収入の倍増も見据えて取り組みます。具体的には、口座開設期間の恒久化・非課税の年間投資枠の引き上げ、非課税保有期間の無期限化などNISAの抜本的拡充・恒久化を行います」。

とあります。

これは「新しい資本主義」という、岸田内閣の主要政策のひとつに含まれている一項目です。新しい資本主義には、「構造的賃上げの実現 分厚い中間層の形成」、「国内投資の活性化」、「デジタル社会への移行」という3つの大項目があり、そのひとつである「構造的賃上げの実現 分厚い中間層の形成」の項目に、資産所得倍増プランが含まれています。

資産所得倍増プランの成果については後述しますが、それ以前に重要なのは、「資産所得倍増プランの推進」と共に、「構造的賃上げの実現 分厚い中間層の形成」に含まれている「家計所得の増大」です。