◆エマージング株式の動向にも変調、新設ファンドはアジア半導体

資金流入額の大きさで「外国株式型」に次ぐ資金を集めている「エマージング株式型」は、流入額の大きさではカテゴリーのトップに「HSBC インド・インフラ株式オープン」の約536億円、「ダイワ・ダイナミックインド株ファンド」の約191億円がトップ2でインド株ファンドの人気が継続している。第3位に新設ファンドの「アジア半導体関連フォーカスファンド」の約185億円が入った。

ただ、月間収益率は「DWSロシア株式ファンド」の6.35%がカテゴリーのトップで、第2位が「(ノムラ・アジアS)ノムラ・フィリピン・フォーカス」の2.48%、第3位が「(ノムラ・アジアS)ノムラ・アセアン・フォーカス」の2.18%など、パフォーマンスの水準が低く、月間でプラスのリターンを上げられたファンドは同カテゴリーで10本しかなかった。

◆大型ハイテク株に一服感? 今後を注視

一方、資金流出額の大きなファンドは、「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月分配型)」(流出額:179億円)、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジなし)」(同117億円)という残高が1兆円前後の大型ファンドだった。この2ファンドは継続的に資金流出となり、「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月分配型)」は7月末の残高が9044億円と9000億円に接近した。そして、流出額の上位には、第5位に「GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ B」、第7位に「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」、第11位に「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」などハイテク株を主たる投資対象にしているファンドが目立っている。これまで市場をけん引してきた大型ハイテク株の上昇に一服感が強まっていることが人気離散の要因と考えられる。

執筆/ライター・記者 徳永 浩