物件種別では「土地」が長期化傾向
物件種別に見ると、マンション、一戸建て、土地のいずれも、売却開始から半年以内に成約に至ったケースが半数を超えました。
しかし、土地については「希望価格で中々買い手が見つからず、半年後に値段を下げてようやく買い手が見つかり売却できた」(70代男性)といった声が聞かれ、マンションや一戸建てと比べて売却活動の長期化が目立ちました。
築年数が売却期間に大きく影響、築40年以上は長期化傾向顕著
築年数別に見ると、築年数が売却期間に大きな影響を与えることが分かりました。築10年未満の物件は、77.4%が半年以内に売却できた一方、築40年以上の物件では、47.8%が売却までに半年以上を要する結果となりました。
築浅物件は「条件が良かったので早く売れた」(50代男性)といった理由から、早期の売却に繋がりやすい傾向が見られます。一方、築年数の経過した物件は、「買い手がなかなか見つからなかった」(60代女性)、「条件が難しかった」(60代男性)といった理由から、売却活動が長期化する傾向があるようです。
駅距離は徒歩20分が境界線? 駅遠物件は2年以上かかるケースも
駅からの距離別に見ると、徒歩10分未満、10~20分未満、20~40分未満、40分以上のいずれも、半年以内の売却率は50%~60%で大きな差は見られませんでした。
しかし、徒歩20分以上の物件では、「2年以上経ってから」売却に至ったケースが、徒歩20分未満と比べて10ポイント以上高くなる結果となりました。「遠方なのでつい後回し」(70代男性)といった声もあり、駅からの距離が遠くなるほど、売却活動が長期化する傾向がうかがえます。
出所:株式会社NEXERとタクシエ(TAQSIE)による「相続した不動産の売却期間に関するアンケート」調査
相続不動産の売却活動開始時期は? 4割以上が「2年以上経ってから」
相続から売却活動開始までの期間については、「2年以上経ってから」と回答した人が41%と最も多く、半数近くの人が相続後、すぐに売却活動を開始していないことが明らかになりました。
その理由としては、「相続人の間で売却して現金化することが決まっていたから相続登記が済み次第動き始めた」(60代男性)、「落ち着いたあと、すぐに売却したほうが高値になると思ったから」(30代男性)など、様々な事情が考えられます。
一方で、「すぐに売却するのは、余程、お金に困っているように思われるのが嫌だった。心を整理する時間も必要だった」(50代男性)といった意見もあり、相続というデリケートな問題であるが故に、売却活動開始のタイミングに悩む人も少なくないようです。
まとめ
今回の調査結果から、相続不動産の売却は、物件種別や築年数、駅からの距離によって売却期間が大きく異なることが明らかになりました。
相続不動産の売却を検討する際には、これらの要素を踏まえ、余裕を持った計画を立てることが重要と言えるでしょう。
【調査概要】
調査期間:2024年7月6日 ~ 2024年7月10日
調査機関:株式会社NEXER(自社調査)
集計対象:事前調査で「不動産売却をしたことがある」と回答した全国の男女
有効回答:234サンプル
調査方法:インターネット調査
引用元:株式会社NEXERとタクシエ(TAQSIE)による「相続した不動産の売却期間に関するアンケート」調査