「売り時」が「買い時」を上回る結果に
「2024年は物件の売り時と買い時、どちらか?」という問いに対しては、「どちらとも言えない」が49%と最多だったものの、「売り時だと思う」が36%と、「買い時だと思う」の15%を上回る結果となった。
「売り時だと思う」と回答した投資家の意見としては、「ゼロ金利解除によって金利が上がると不動産価格が下がるから」「今なら売却益が出そうだから」といった声が聞かれた。
一方、「買い時だと思う」と回答した投資家からは、「日銀の利上げ幅は上限が低い。インフレによる価格上昇の方が強いと見ている」「歴史的円安などにより都心不動産が上昇し、隣接地域の住宅価格も上がる」といった意見が挙げられた。
物件購入者は全体の3人に1人、高利回り物件の取得も
過去1年間(2023年4月以降)に物件を購入したかどうかについては、「購入した」が37%、「購入していない」が63%という結果になった。物件購入に至ったのは回答者の3人に1人という計算になる。
購入物件の種類としては、「一棟アパート」が41件と最も多く、次いで「戸建賃貸」が20件、「区分マンション」が16件、「一棟マンション」が7件と続いた。
購入した物件の表面利回りについては、「7%台」が19件と最も多かった。その他、「10%台」「8%台」といった回答も多く、「15%以上」「20%以上」といった高利回り物件を取得したという回答も一定数見られた。物件価格が高騰する中、高利回りを実現している投資家も存在することがわかる。
融資利用者の8割が2%台未満の低金利
物件購入者のうち、80%が「融資を利用した」と回答しており、「現金で購入した」は20%にとどまった。「融資を利用した人」の融資先としては、「地方銀行」が48%と最も多く、次いで「信用金庫・組合」が30%、「都市銀行」「ノンバンク」がそれぞれ10%という結果だった。
融資条件については、「1%台」が最も多く半数近くを占めた。さらに低い「1%未満」も7%存在し、合わせると過半数を占める。また、「2%台」も合わせると、融資を利用した投資家の8割が2%台未満の低金利で融資を受けていることになる。
物件価格の高騰により利回りが低下傾向にある中、低金利で融資を受けられるかどうかが、物件購入の可否を分ける重要なポイントとなっていると考えられる。
今後の不動産投資市場の行方
今回のアンケート調査の結果からは、不動産投資家たちの間でも、2024年の不動産市況に対する見方が大きく分かれていることが明らかになった。
ゼロ金利解除の影響による金利上昇や物価高騰など、不動産市況の先行きは不透明な状況が続いている。こうした状況下において、投資家たちは、市場の動向を注視しながら、自身の投資戦略を見定めていく必要があると言えるだろう。
【調査概要】
・調査期間:2024年4月10日~5月2日
・対象:楽待会員
・有効回答数:239人
・調査方法:インターネットでアンケートを実施
・出典:不動産投資プラットフォーム「楽待」を運営する株式会社ファーストロジック調べ