残された謎 なぜこのタイミングで富裕層は物件購入?

私たちが普段目にする1億円以下の中古マンションだと2024年の高騰は見られないのでしょうか。結果は全価格帯が一貫して高騰しているのに対し、1億円以下は2022年後半まで高騰も、それ以降は伸びが鈍化し、2024年に入ってからは頭打ちです。

このように2024年の中古マンション高騰の背景には、富裕層などによる超高額物件の購入急増があるようです。しかしなぜこのタイミングで物件購入なのでしょうか。1つの可能性として日銀のマイナス金利解除があります。今後住宅ローン金利の上昇が予想されることから、今が低金利で物件を取得できる最後のチャンスだと考えた富裕層がみられたからではないでしょうか。一般層に比べて資金に余裕があることも、駆け込み購入に拍車をかけた可能性があります。

図表5 一都三県の「全価格帯の成約価格」と「1億円以下の物件の成約価格」の推移

出典:マンションリサーチ株式会社「中古マンションマーケットの急速な二極化の実態とは?」

《調査概要》 
調査名:中古マンションマーケットの急速な二極化の実態とは? 
調査主体:マンションリサーチ株式会社
調査公表日:2024年6月28日
調査対象:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の不動産取引データ