2022年から20%以上も高騰する中古マンション 

まずは本当に中古マンション価格が高騰しているのでしょうか。不動産売却一括査定サイトを運営するマンションリサーチ株式会社が東日本レインズの不動産取引データを用いて実施した調査から確認してみましょう。

結果は2022年1月に1平方メートル当たり65万円弱だった成約価格が、2024年4月には80万円弱まで高騰。特に2024年3月から4月の伸びがひときわ目立ちます。例えば3LDK(70平方メートルの場合)だと4300万円弱が5600万円弱になった計算なので、かなりのインパクト。なお成約価格とは売り手と買い手が最終的に合意した価格のことです。

図表1 一都三県中古マンションの価格推移

出典:マンションリサーチ株式会社「中古マンションマーケットの急速な二極化の実態とは?」

実は普段、目にする売出価格は高騰していない

中古マンション価格の高騰は事実のようですが、なぜ実感がわかないのでしょうか。マンションには成約価格以外に在庫価格があります。これはマンションの売り出しを始める時の価格で、「いくらで売りたいか?」という売り手の希望を加味して決めます。私たちがネットやチラシで目にする売出価格は実はこの在庫価格のことです。

結果は在庫価格も成約価格と同様に2022年1月から高騰が始まりますが、2023年2月をピークに下落に転じ、直近は2022年2月の水準まで落ち込んでいます。
実感がわかないのは当然で、高騰しているのは成約価格だったのです。

図表2 一都三県中古マンションの価格推移

出典:マンションリサーチ株式会社「中古マンションマーケットの急速な二極化の実態とは?」