◆定着したインド株ファンド人気。トルコ、ベトナムは今後次第

6月の資金流入額が目立って大きくなった「エマージング株式型」は、流入額の大きさではインド株ファンドが他を圧倒しているが、月次の収益率ではインド株以外の国の台頭もある。たとえば、「トルコ株式オープン」は6.61%で「エマージング株式型」収益率ランキングの第3位、「イーストスプリング・ベトナム株式ファンド」は5.14%で第6位、「イスラエル株式ファンド」が4.73%で第9位などだ。とはいえ、1カ月間だけの収益率のみを取り上げて、有望な投資先と判断するわけにはいかないのも確か。インド株ファンドに人気が高いのは、過去3年、5年という中長期にわたって優れた成績を残してきたためだ。その点では、目先のパフォーマンスが鈍化しても資金流入が続くインド株ファンドは、しっかり人気が定着したといえそうだ。

一方、資金流出額の大きなファンドは、「日経225ノーロードオープン」(流出額:292億円)、「楽天日本株4.3倍ブル」(同168億円)の「国内株式型」がトップ2となった。また、前月に続いて「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジなし)」(約135億円)、「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月分配型)」(流出額:約119億円)という大型ファンドからの資金流出が目立っている。「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月分配型)」は3カ月で496億円の資金流出、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジなし)」も374億円の資金流出と資金流出規模が大きい。

資産別で流出額が大きかった「不動産投信型」は、「ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)」(約106億円)、「新光US-REITオープン」(約104億円)など、引き続き内外問わずに「不動産投信型」から資金が流出している。

執筆/ライター・記者 徳永 浩