オランダ・ロッテルダムから世界へ、ロベコとはどんな会社?

「ロベコ(Robeco)はオランダのロッテルダムに本拠を置くグローバルな資産運用会社で、サステナブル投資の第一人者です。1990年代からESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点で企業分析を運用プロセスに取り込み、株式から債券まで幅広いアクティブ運用を通じて世界中のお客さまに優れたソリューションを幅広く提案しています」とロベコ・ジャパン営業部長の根尾真砂理さんは語ります。

環境問題への意識が高まる中、金融や投資のあり方が変化しています。気候変動の深刻化などの環境問題は将来的な投資上のリスクであり、経済におよぼす悪影響は計り知れません。ロベコはESG投資の一歩先を行く、独自のインパクト投資(財務的な収益を追求しつつ、社会・環境へのインパクト創出を目指す投資手法)を発展させ、その普及に努めています。

サステナビリティへの長期的なコミットメントは、名だたる外部機関からの高評価にもつながっています。例えば、シェアアクション(ShareAction、英国を拠点とする調査機関)が世界の資産運用会社77社を対象に、サステナブル投資の広範なテーマについて2023年に行った調査においてロベコは2回連続で第1位を獲得しました。

ウォール街大暴落の直後に創設、危機から学び、礎を築く

1929年ウォール街大暴落のわずか数週間後、ロッテルダムの有力実業家7人が集まり資金を一元管理するための組織「ロッテルダム投資集団(Rotterdamsch Beleggings Consortium)」を創設したのが起源となり、後に略して「ロベコ(Robeco)」と改称されました。その後、大恐慌で資産の半分を失うという辛い経験を耐え抜き、現在のロベコの礎が築き上げられました。

創業者の「リサーチの価値こそが重要」という考えのもと、絶えず投資に対する科学的なアプローチを進展。世界有数の大学や調査機関との協力関係を構築するなどリサーチ力へのゆるぎない注力が、やがてクオンツ運用やサステナブル投資のパイオニアとしての実績につながっていきます。

また当初よりグローバル展開も重要視しており、1930年代にいち早く南米への株式投資を開始したのを皮切りに、その後も積極的に海外展開を加速してきました。創立直後の大恐慌で資産半減という歴史から学んだ教訓を基に危機時の方針が策定され、後に起こった数々の市場大暴落時の混乱を克服し、現在の世界的な運用会社への軌跡へとつなげてきました。今日では、ロベコは日本のオリックス株式会社の子会社であるオリックス・ヨーロッパの傘下にあります。

「全ての運用戦略はリサーチ主導であるべき」という哲学

ロベコではリサーチが全ての活動の核をなし、「パイオニア精神と慎重さ」を両立させるアプローチは、1929年にオランダ・ロッテルダムで設立されて以来ずっとDNAに息づいてきました。ロベコは「全ての運用戦略はリサーチ主導であるべき」という運用哲学のもと、リサーチに基づく革新を推進すれば、顧客により大きな価値をもたらすことができると考え、挑んでいます。

ロベコのミッションは、「卓越した投資リターンとソリューションの提供を通じて、お客様の資産運用やサステナビリティの目標達成に貢献すること」であり、「富とウェルビーイング(幸福、健康)双方の創造」というビジョンをもってミッションの実現を目指します。

ミッションを支えているのが、「常にお客様を優先し、革新的で、全ての活動において繋がりを築き、かつ、サステナブルである」というロベコのコアバリュー(信条)です。ロベコは自ら、そして社会のために責任をもって行動しています。

このようにロベコの企業価値は、革新とリサーチがその出発点となっています。顧客中心主義を貫くための確固とした枠組みとなっているゆえんです。