「アクティビスト」を一躍有名にしたのは村上ファンド?

「物言う株主」という言葉が世間をにぎわせるようになったのは、かれこれ25年ほど前からでしょうか。1999年、村上世彰氏が設立した「村上ファンド」がその嚆矢(こうし)といっても良いでしょう。

村上ファンドとは、株式会社M&Aコンサルティングや株式会社MACアセットマネジメントといった投資顧問会社グループの通称です。日本証券投資顧問業協会の資料によると、海外の大学財団や、国内ではオリックス、農林中央金庫(農林中金)、石油資源開発などから出資を受け、2006年3月末時点で4444億円の運用資産があったとされています。

しかし、代表者だった村上世彰氏がインサイダー取引の容疑で逮捕・起訴されたことによって、最終的に村上ファンドは解散を余儀なくされました。

村上ファンドの実態は、村上世彰氏の自著である「生涯投資家」に詳しく書かれています。それによると、村上ファンドは「現預金をたくさん保有していたり、財務状況もよく、銀行からの借入余力もあって、直接金融で資金を調達する必要のない企業」をターゲットにして、その企業の株式に投資し、株主としての発言権を高めたうえで非上場化などの提言を行うというものでした。

このように、特定の企業の株式に投資し、大株主として投資先企業の企業価値向上を大義名分として、企業の経営に積極的に関与する投資家のことを、アクティビストと言います。