「任天堂DNA」を基盤とした成長戦略が奏功、純利益は過去最高を更新

2023年5月に発売された「ゼルダの伝説ティアーズ オブ ザ キングダム」や2023年10月に発売された「スーパーマリオブラザーズワンダー」の売上が順調に推移したこともあり、任天堂は直近の2024年3月期決算で純利益4906億円と過去最高を更新しました。

この成功には、京都という土地柄も影響していると考えられます。京都は昔から学生のまちとして知られ、まちづくりに大学が大きく寄与してきた歴史があります。実際に京セラや村田製作所、ニデック(旧:日本電産)など、世界的なものづくりのメーカーの本社が数多く存在し、技術者が育ちやすい環境が整っています。

任天堂が成功しているもう一つの要因は、「娯楽を通じて人々を笑顔にする」というCSR(企業の社会的責任)目標の実現に向け、「任天堂DNA」を重視している点です。任天堂DNAとは「独創性・柔軟性・誠実さ」の3つの要素で構成される、いわゆるミッションステートメント(価値観、行動指針)です。

このDNAを体現するために、福利厚生制度の充実に加え、休暇制度・評価制度の整備のほか多様性を尊重するパートナーシップ制度の導入、社内向けの自己紹介サイトの設置など、さまざまな人事施策に取り組んでいます。

このように社員一人ひとりが自分らしく働ける環境を提供し、常に新しいアイデアが生まれる職場を作り上げていることが、任天堂の強みであり、業界のパイオニアとして走り続ける理由といえるでしょう。