「ずとまよ」コラボカード爆誕! 顧客と社員で「好き」を応援
丸井グループでは失敗は成功ノウハウの蓄積につながると捉え、挑戦を奨励しています。新規事業の失敗事例をFail Forward賞として表彰し、事例を共有。ネガティブなイメージを払しょくし、失敗はむしろ当たり前と受け入れて恐れずに挑戦できる風土を生んでいます。
社員の自主性による能力が発揮された一例が「好きを応援するカード」の取り組みです。好きを応援するカードとは、人気の他社のブランドやサービスなどとコラボしたグループのクレジットカード「エポスカード」のこと。全社員が企画を発案できます。
中でも音楽好きの社員によるZ世代に話題のバンド「ずっと真夜中でいいのに。」とのコラボカードは、発行開始初日の新規カード入会数がエポスカード史上最高を記録しました。
意欲的な取り組みにより、「好き」を応援するカードの新規会員は27万人(前年比13万人増)に。同カードは若年層の保有比率が高く、LTV(生涯利益)も通常のエポスカードの2~7倍高くなっています。
社員による自発的な取り組みは多数あります。例えば、グループの新規事業開発会社okos(オコス)ではスニーカーのような履き心地のパンプスを開発。ペットボトル再生糸を使用したサステナブルシューズで幅広いサイズ展開も受け、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」のパンプス部門で支援総額第1位を獲得するなど成果を挙げています(2022年11月時点)。
こうした社員発の企画の発案には、各自の想像力の発揮が不可欠です。丸井グループでは、その実現のために仕事を通じて「フロー」を体験できる組織づくりに注力しています。フローとは心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱する、時間や自我を忘れて没頭する状態のこと。企業を支える社員一人ひとりを育むため、人的資本への投資を重要視する丸井グループは、社会課題を解決する企業への変化を目指しています。
社会課題の解決と利益の二項対立を乗り越える
とはいえ、営利企業であるため社会課題の解決のみならず、利益追求との両立を図ることが欠かせません。丸井グループでは社会課題を解決するインパクト目標を設定し、そのKPI(重要業績評価指標)と財務KPIを連動させ、実現を目指しています。
社会課題を解決する取り組みと利益の両立。社員発のその事業活動は多岐に及びます。例えば、社内の新規事業コンクールから生まれた家賃保証サービス。定年退職後の親が子どもの連帯保証人になれない事態などに肩代わりするこのサービスは、グループの貸金業子会社の社員たちによる発案で08年に事業化されました。
また、21年に開始した矯正やインプラントを含む歯の治療費を分割払いできる「エポスのデンタルクレジット」は再雇用社員が活躍して事業を推進しています。