うっかり忘れに注意! 企業型確定拠出年金(DC)の持ち運び

転職時や退職時に手続きが必要になるのは、企業型確定拠出年金(DC)の加入者です。転職前の会社で企業型確定拠出年金(DC)に加入していた人が、他の会社に転職した場合、次のようなパターンが考えられます。

【転職先の会社に企業型DCがある場合】

①転職先の企業型DCに加入し資産を移換
②転職先の企業型DCに加入せずiDeCoに資産を移換
③転職先の企業型DCに加入せず通算企業年金に資産を移換

【転職先の会社に企業型DCがない場合】

①iDeCoに資産を移換
②通算企業年金に資産を移換

【転職先の会社の制度が確定給付企業年金(DB)だった場合】

①転職先のDBに資産を移換(転職先に受け入れる規約がある場合のみ)
②iDeCoに資産を移換
③通算企業年金に資産を移換

これらの選択肢のうち、「通算企業年金」を選んだ場合は、その後積み立てはできません。ただし、いったん通算企業年金に移管した資産も、企業型DCやiDeCoに移換することが可能です。

注意したいのは、企業型DCにはDBのような、60歳になるまで元の会社が資産を預かってくれる制度はないということです。何かしらの制度への移換手続きを必ず自分でしなければなりません。しかし、転職前に企業型DCに加入しているという自覚がない人や、ポータビリティについてよく理解していない人もいて、企業型DCの資産が放置されてしまうケースがかなりあります。

企業型DCは、転職や退職で加入者資格を失ったとき、手続きせずに6カ月過ぎると、年金資産は現金化され、国民年金基金連合会に自動移換されてしまいます。これが、かなりのデメリットになります。