顧客と長期で付き合うIFAという新たな存在
そうした中で、にわかに脚光を浴びてきているのが、資産運用ビジネスの新たな担い手である「IFA」です。
IFAは“Independent Financial Advisor”の略称ですが、「独立系金融アドバイザー」などと訳され、証券会社や銀行といった特定の金融機関に属さず、独立した立場で資産運用などに関するアドバイスを行うのが一般的です。欧米では同様の独立系のアドバイザーが広く普及していることもあり、近年、日本でも急速に注目が高まっています。
IFAは「金融商品仲介業者」という業態で、「金融商品取引業者」の委託を受けて投資信託や株式といった金融商品の提案、ファイナンシャルプランに関するアドバイスなどを行います。金融商品取引業者は証券会社であることが一般的ですが、SBI証券や楽天証券などのネット証券もIFAと積極的に提携しているのは、やや意外に感じられるかもしれません。
もっとも、証券会社はIFAを雇用しているわけではなく、IFAにノルマを課すようなことは基本的にありません。IFAは個人でも法人でも業務を行えますが、法人と言っても比較的小規模で、転勤もないケースが多い。地域に密着し、顧客と長期に付き合えることが、最大の強みと言っていいでしょう。
だからこそ、顧客よりも自らの利益を優先してしまっては、生き残れないことになりかねません。「顧客本位の業務運営」が強調される中で、IFAが注目されているのには、そんなビジネスの特質があるのです。