防衛事業が急成長 国の防衛力強化が追い風に
三菱重工の足元の業績を確認してみましょう。
今期(2024年3月期)は好調です。大型の受注が続いており、受注高は第3四半期までに前期の通期を上回りました。当初は4兆6000億円と見積もっていた通期の受注高を中間決算で5兆6000億円に、第3四半期ではさらに6兆円へと上方修正しています。
【受注高の推移】
・2023年3月期(通期):4兆0677億円
・2024年3月期(3Q累計):4兆4966億円
・2024年3月期(通期予想):6兆0000億円
出所:三菱重工業 決算短信(外部リンク)
特に伸びているのが航空・防衛・宇宙セグメントです。第3四半期で前年同期比3.8倍の受注を獲得しています。通期でも前期比2.7倍となる1兆9000億円の受注を見込みます。
背景には防衛事業の拡大があります。日本は防衛力の強化を進めており、整備費として2023年度~2027年度で約43.5兆円を投じるとしています(出所:三菱重工業 防衛事業説明会資料(外部リンク)、防衛相・自衛隊 防衛力整備計画 所要経費等(外部リンク))。
三菱重工は国の防衛整備の受け皿となり、大型の受注獲得につながりました。決算説明会では防衛関連の受注は2024年3月期で1.7兆円程度、2025年3月期も1兆円は超えるという認識を示しています(出所:三菱重工業 2023年度第3四半期決算説明会 質疑応答要旨(外部リンク))。