ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)は2月下旬にも、国内ネット証券などを通じ米国上場ETF11銘柄の売買と低コストインデックス投信7本の販売を始める。いずれの商品も新NISAの成長投資枠での買い付けが可能だ。

同社は1993年に米国初のETF上場を実現し、現在ではSPDR(スパイダー)シリーズのブランドを展開する「ETFのパイオニア」だ。同社の旗艦商品である「SPDR S&P500 ETF」は全世界のETFで最古かつ最大の純資産を誇る。これまでは日本では機関投資家向けの展開がほとんどだったが、新NISAの始動を受け、バラエティに富んだ低コスト商品を充実させて個人投資家への訴求を強める。

すでに国内個人投資家の間では、「オルカン」の愛称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に代表されるような海外株中心のインデックス投信の人気が高まっている。信託報酬の引き下げなど、インデックス投信のコスト競争も激化する。

SSGAは日本のリテール市場における「後発組」を自称する一方で、「パッシブ、インデックス商品でも他社と差別化する余地が大いにある」(新原謙介代表取締役兼CIO)とみる。足元では株高を背景に株式インデックス投信への資金流入が続くものの、景気の不透明感や株高の一服感が出れば、分散投資の必要性から債券ファンドに買いが入る展開も考えられる。新原氏は「取引所取引が中心の株式とは異なり、店頭での相対取引が中心の債券は各社の運用能力の差が出やすい。日本の運用会社には難しいような、低コストで高クオリティの債券インデックス商品を提供していきたい」と語る。

新たに投入する商品ラインアップには、株式インデックス型や公社債インデックス型のETFに加え、AIを活用したニュー・エコノミーや、自然エネルギー分野の技術革新を促す企業などに着目する株式テーマ型ETFも含まれる。その商品戦略について、同社の岩崎宏明常務執行役員は「個人がポートフォリオを組むうえで必要なパーツの一式を投資家の皆さまに提供するため」と説明する。「日本では銀行でETFを売買できないことや投資初心者はETFの売買のタイミングがわからないこともあり、ETFより公募投信のほうが好まれやすい。投資未経験者をはじめ幅広い年代の方の資産形成ニーズに応え、投信を含め多くの選択肢を示したい」と述べる。

 

ETF(11銘柄) ※【】内は総経費率

▼株式テーマ型

SPDR S&P Kenshoニュー・エコノミー・コンポジットETF【0.20%】

SPDR S&P Kenshoクリーン・パワーETF【0.4%】

SPDR S&P Kenshoスマート・モビリティETF【0.45%】

SPDR S&P500 ESG ETF【0.10%】

▼株式高配当型

SPDR S&P全世界配当株式ETF【0.40%】

▼債券パッシブ型

SPDR ポートフォリオ・ハイ・イールド債ETF【0.05%】

SPDR ポートフォリオ米国物価連動国債ETF【0.12%】

SPDR ポートフォリオ・モーゲージ債券ETF【0.05%】

SPDR ブルームバーグ投資適格変動金利ETF【0.15%】

▼債券アクティブ型

SPDRブラックストーン・ハイ・インカムETF【0.70%】

▼ハイブリッド型

SPDR ICE優先証券ETF【0.45%】

 

インデックス投信(11本) ※【】内は信託報酬率(税込)

ステート・ストリート S&P500 インデックス・オープン【0.0748%】

ステート・ストリート全世界株式インデックス・オープン【0.0748%】

ステート・ストリート・グローバル株式インデックス・オープン【0.0748%】

ステート・ストリート TOPIX インデックス・オープン【0.1078%】

ステート・ストリート・グローバル債券インデックス・オープン(隔月分配型)

【0.0638%】

ステート・ストリート国内債券インデックス・オープン(隔月分配型)【0.1078%】

ステート・ストリート米国投資適格社債インデックス・オープン(隔月分配型)【0.2838%】