S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気

 

2024年1月も、SBI証券と楽天証券ではS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。そして、1月19日にS&P500種株価指数は約2年ぶりに史上最高値を更新した。エヌビディアなどのAI関連銘柄とハイテク銘柄の上昇、そして台湾積体電路製造(TSMC)の強気の業績見通しにより、テック株への楽観論が強まったからである。S&P500種株価指数は19日に前日比1%高の4839.81 で引け、2022年1月3日の史上最高値(4796.56)を更新している。

ただ、株価の上昇はエヌビディアを筆頭に、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる一部の銘柄に偏っている点に注意が必要だ。

「マグニフィセント・セブン」は、GAFAMと呼ばれる主要5銘柄(グーグル〔アルファベット〕、アップル、メタ・プラットフォームズ〔旧・フェイスブック〕、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)に、テスラとエヌビディアを加えたアメリカの主要テクノロジー企業7社を指す。

これら7銘柄は2023年初頭からアメリカの株式市場をけん引しており、S&P500種株価指数の上昇の多くはこの7銘柄の時価総額の増加によるものとされている。その影響力の大きさから「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるようになっている。

とくに、マイクロソフトとアップルは1月に時価総額が3兆ドルを超え、この2銘柄で日本のプライム市場全体の時価総額(2023年12月時点) を上回っている。

米国では金利上昇やインフレによる景気後退懸念が高まっている。本来なら景気後退局面ではハイテク株に売りがでる傾向があるが、現状ではテック株の一部の銘柄に資金が集中するという状態になっているのだ。S&P500種株価指数というインデックスに投資する時は幅広い銘柄に投資できるというメリットがあるものの、現状では一部の銘柄の動向に大きな影響を受けやすくなっている点には注意が必要である。