外国株式型ファンドへの資金流入が続く
公募株式投資信託(ETF除く)は前月比で1兆6738億円増加し、196兆9070億円と2カ月連続で過去最高を更新した。米国株式が金利低下によって堅調に推移したことからファンドの評価額が上昇したことや、外国株式型やエマージング型への資金流入が続いた。
個別ファンドでも、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が資金流入額1位(約1090億)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が資金流入額2位(約780億円)、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が資金流入額3位(約590億円)など、外国株ファンドの人気が高かった。
さらに、1月から新NISAが始まり、外国株式ファンドへの資金流入が加速している。「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は1月9日の資金流入額が1000億円を超えたと日本経済新聞で報道されており、1月の月間流入額(約1090億円)と同程度の資金が流入している。1月17日時点での純資産残高は2兆788.6億円と2兆円の大台を超えており、1月も外国株式ファンドへの高水準の資金流入が続いている可能性は高い。
12月で新規設定額がもっとも多かったのは「ティー・ロウ・プライスニュー・ホライズン・ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」の約220億円だった。同ファンドは、米国の小型株の中で成長性が高いと判断される企業の株式に投資するアクティブファンドである。将来、大型株に成長することが期待できる有望な小型株を発掘し、成長の初期段階から長期での投資を行う。販売は野村證券1社で行った。
海外REITファンドのパフォーマンスが好調
12月の分野別パフォーマンスでは海外REIT型の7.5%が、11月の10.4%に続き、全分野の中で上昇率トップとなった。人気が高い外国株式型のパフォーマンス(11月8.3%、12月2.1%)を上回っている。世界的に長期金利が低下し、海外のREITは上昇しているからだ。
一方、国内の金利上昇懸念から国内のREITのパフォーマンスは悪い。国内REITの12月のパフォーマンスは-1.7%と、全分野の中で下落率トップとなった。個別ファンドでは「野村インデックスファンド・外国REIT・為替ヘッジ型」の10.78%がパフォーマンストップとなっている。同ファンドは、日本を除く世界各国の不動産投資信託(REIT)に投資するREIT型ファンドである。ただ、配当利回りは年率4.0%となっているが、為替ヘッジ後は-1.3%となっている点には注意が必要である。
■野村インデックスファンド・外国REIT・為替ヘッジ型
基準価額 1万4696円
信託報酬 0.605%(年率・税込)
純資産残高 6.6億円
<騰落率>
1カ月 10.8%
3カ月 15.1%
6カ月 6.0%
1年 5.6%
※12月末時点