売り上げが倍増 芽吹きだしたセンサ事業
TDKが次に拡大を目指すのがセンサ事業です。磁気ヘッドの技術を活用し2009年からTMRセンサ(磁気センサ)の開発に着手しました。また2017年には慣性センサ大手の米インベセンスを買収し事業を強化しています。
TMRセンサは高温への耐性や精度の高さから特に自動車向けに需要が伸びています。ニーズの高まりを背景に、2023年4月にはTMRセンサの増産を発表しました。同年10月にはTMRベースの次世代センサ開発で電流センサ大手のスイスLEM社と提携しています(出所:TDKの磁気センサの生産体制強化について、TDKとLEM、TMRベースの次世代半導体型電流センサの開発で連携)。
TDKはセンサ事業を重点領域の一つに位置付けています。TDK全体から見るとセンサ事業はまだ小規模ですが、成長スピードが早く、売り上げは2023年3月期までの5期で2.2倍に増加しました。センサ事業が電池事業に並ぶ収益源へと育つのは意外に早いかもしれません。
【センサ応用製品セグメントの売上高の推移(2018年3月期~2023年3月期)】