シニア未婚女性が「老後の備え」として行っていることとは?

同レポートでは、4人に1人がNISAを利用している、65歳以上のシニア未婚女性の像を、具体的な数字を用いて浮き彫りにしています。

まず、「老後の生活資金の備えとして行っていること」について、NISA以外の利用商品を見ると、「NISA、iDeCo以外の株式・債券等の有価証券」という回答比が3.2%、「不動産の売買や賃貸」に至っては0%でした。逆に、「預貯金」は83.9%、「生命保険(個人年金・終身保険)」は51.6%にも達しています。

「4人に1人がNISAを利用している」などと言うと、シニア未婚女性は、「株式や株式投資信託の運用益を非課税にするNISAを積極的に活用している、投資に対してアクティブな人たち」というイメージを受けますが、預貯金や生命保険の利用比率が高い点を考えると、実はそれほど投資に対してアクティブではないのかもしれない、という印象を受けます。

逆にシニア未婚男性の場合、確かにNISAの利用比率は8.8%と、シニア未婚女性に比べて低いものの、「NISA、iDeCo以外の株式・債券等の有価証券」については11.8%、「不動産の売買や賃貸」は14.7%もあります。この数字から受ける印象は、シニア未婚男性の方が、より積極的にリスクを取っているということです。

一方、シニア未婚女性の場合、預貯金や生命保険の比率がシニア未婚男性に比べてはるかに高いことから、どちらかというと安全志向が強く、NISAを通じて購入している商品も、株式などよりは、投資信託が中心ではないかと推察されます。ちなみに、シニア未婚男性で「預貯金」と答えた人の回答比は47.1%、「生命保険」が23.5%であり、いずれもシニア未婚女性のそれを大きく下回っています。

なお、自分自身の老後をより自分事として真剣に考えているのは、圧倒的にシニア未婚女性です。何しろ「準備をしていない」と答えた回答比は、女性が9.7%と低いのに対し、男性は35.3%もいました。この点において、シニア未婚男性はもう少し、自分の老後の備えについて真剣に考えた方が良さそうです。