米国の原油関連銘柄

原油価格が上昇すると、石油・エネルギー関連銘柄が上昇しやすくなります。石油・エネルギー産業は産業の中心であり、特に米国は石油大国として有名です。米国にはエクソン・モービルやシェブロンなどの石油メジャーがあり、シェールオイルの増産により世界最大の原油生産国になりました。

石油メジャーは石油産業を独占し、採掘から販売までを一貫して行っています。また、独立系の石油会社もシェールオイル・ガスの開発に注力しています。ただし、アジアの産油国やロシアの国営石油会社などの存在感が増し、石油メジャーの影響力は相対的に低下しています。

それでは、米国の原油関連銘柄を2つ紹介します(株価は10月20日時点)。

■シェブロン(CVX)
​株価  166.83ドル

シェブロンは米国の石油関連企業で、世界の石油業界のスーパーメジャーの一社です。カリフォルニア州に本社を置き、石油やエネルギー製品を扱っています。NYダウ工業株30種平均指数採用銘柄で、米国を代表する企業といえます。

上流事業では、原油や天然ガスの探鉱・生産・輸送を行い、下流事業では、石油製品の精製・販売や再生可能燃料の製造・販売を手がけています。持続可能でクリーンなエネルギーの実現に注力し、低炭素事業の成長に力を入れているのです。

■エクソン・モービル(XOM)
株価 111.08ドル

エクソン・モービルは、米国の総合エネルギー企業で、スーパーメジャーの一社です。テキサス州に本社を置く石油メジャー最大手であり、エネルギー関連事業に従事しています。また、石油化学品の製造や発電事業にも注力しています。

最近、エクソン・モービルはシェール大手のパイオニア・ナチュラル・リソーシズを買収することを発表し、化石燃料への投資を強化しました。この決断は、化石燃料の需要が長期的に安定しているという冷静な戦略に基づいています。エクソンの最高経営責任者は、買収によって地下資源をより効率的に生産し、消費者に提供すると述べています。

エクソン・モービルは、2024年までにパイオニア・ナチュラル・リソーシズの買収を完了し、石油・天然ガスの生産量を大幅に増やす計画です。また、シェール開発の比率を上昇させ、生産・投資効率を高めることで、10年間にわたって相乗効果を見込んでいます。

この投資は脱炭素の風潮に対する逆張りのように見えるかもしれませんが、エクソン・モービルは将来の需要に対応するために冷静な判断を下しています。化石燃料はまだ長い期間にわたって必要とされると見込まれており、エクソン・モービルは、その需要を満たすために積極的な戦略を展開しているのです。

執筆/山下耕太郎(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)