新しいSNS「Threads(スレッズ)」は、2023年7月の立ち上げからわずか5日間で1億人のユーザー登録を突破するなど、好調なスタートを切りました。起業家イーロン・マスクによる買収後、いまだ混乱が続くX(旧Twitter)を超える存在になるか注目されています。

また、マーク・ザッカーバーグCEOとイーロン・マスク氏の間で金網ファイトが行われる可能性があるという話題もあります。この記事では、Threadsを立ち上げたメタ社の現状と、イーロン・マスク氏のXとの違いについて解説します。

2021年10月に社名を「フェイスブック」から「メタ・プラットフォームズ」に変更

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を提供する企業として、フェイスブックは2004年にマーク・ザッカーバーグ氏によって設立され、その後世界最大級のSNSに成長しました。

2012年に上場後は、大型M&Aを実行し、写真共有SNSの「Instagram」やチャットアプリ「ワッツアップ」を買収。また、事業の軸足をSNSからメタバース(仮想空間)分野に移行することを決定し、2021年10月には、社名を「フェイスブック」から「メタ・プラットフォームズ」に変更しました。

この変更に伴い、事業構成も再編成され、SNSサービスをまとめた「Family of Apps(FoA)」、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)事業を中心とする「Reality Labs(RL)」の2つに分かれたのです。

短編動画「リール」が好調

米国のメタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)は、2023年第2四半期(4~6月)の売上高が予想を上回ったことを発表し、同社の第3四半期の見通しも良好であることを示しました。

第2四半期の売上高は320億ドル(約4兆4900億円)で、アナリスト予想平均の311億ドルを上回りました。また、第3四半期の売上高についても、320億ドルから345億ドルの見通しを示し、予想平均を上回ったのです。

同社が最近導入した短編動画サービス「リール」は、広告主に注目されており、同社の収益源の一つになっています。

また、同社は、InstagramやFacebookなどのプラットホームを通じて、多種多様な広告商品を提供しており、数多くの企業が広告を出稿することで、収益を上げています。そのため、同社は今後も、広告主や企業のニーズに応えるために、新しい広告商品の開発を続けていくことが予想されます。

また、AIの普及によるブームや昨年の大幅な人員削減によるコスト削減策が功を奏し、業績が低迷していた昨年を脱出し、再び上向きに推移しています。また、デジタル広告収入も回復しているのです。

マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、同社のアプリ全体で力強いエンゲージメントが引き続き見られると指摘しました。独自の大規模言語モデル「LLaMA(ラマ)2」や、新しい短文投稿型の交流サイト「Threads(スレッズ)」、Instagramの動画作成機能「リール」、新しい人工知能(AI)製品、そして今秋発売予定の仮想現実(VR)用のゴーグル型端末の新モデル「クエスト3」など、よりエキサイティングなロードマップを描いているのです。

アート、イベント、そしてゲームを中心に、エンターテインメントの世界では、常に新たな技術や発想が求められています。現在では、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった技術が急速に進化しており、さらには、現実世界と仮想空間を融合させた複合現実(MR)も開発が進んでいます。このように、エンターテインメントが進化していく中で、われわれは没入感のある、より臨場感のある体験を求めているのです。2030年までに、複合現実(MR)の市場規模はおよそ1兆円に達するとの試算もあるため、今後、メタ社の「クエスト3」もますます注目されることでしょう。