米ウォルト・ディズニーの株価が低迷しています。主な原因は動画配信サービスの不振です。この記事では、ウォルト・ディズニーの動画配信サービスの今後の動向と、対照的に日本のディズニーランドを運営するオリエンタルランドの株価が好調な理由について解説します。

米ウォルト・ディズニーの株価が低迷

米メディア・娯楽大手の米ウォルト・ディズニーのパフォーマンスが悪化し、ほぼ10年ぶりの安値となっています。

9月21日時点の株価は82.73ドルで、年初来では-7.01%、過去5年では-29.25%となっているのです。これに対し、NYダウは年初来で+2.82%、過去5年で+28.77%の上昇となっています。

ウォルト・ディズニーは、NYダウ工業株30種の採用銘柄です。NYダウ工業株30種は世界で最も有名な株価指数です。30銘柄で構成され、アメリカを代表する企業の動向を示す指数と見なされています。NYダウ工業株30種は時代の変化に応じて、銘柄の入れ替えが不定期に行われています。1896年には12銘柄で算出が開始され、1916年には20銘柄、1928年には30銘柄に拡大されました。

エンターテインメント分野では、ネットフリックスが過去10年間で驚異の900%以上の伸びを記録し、アップルやマイクロソフト、アマゾン、バークシャー・ハサウェイ、コカ・コーラなど大企業の株価のパフォーマンスは、すべてウォルト・ディズニーを上回っています。

ウォルト・ディズニーは昨年末、長年CEOであったボブ・アイガー氏の復帰を発表し、株価を一時的に上昇させました。しかし、その後、株価は下落しています。

株価下落の主な要因は動画配信サービスの不振です。有料ストリーミングサービス「Disney+」の加入者数は2023年4~6月期に7%減少。そして、ウォルト・ディズニーの動画配信部門は5億1200万ドルの営業損失を記録しました。

動画配信改革で高評価を得られるか

ただ、ウォルト・ディズニーは動画配信事業の改革に取り組んでいます。広告付きプランの拡大や値上げ、アカウント共有の有料化を検討しており、収益性や会員数の向上、DTC(Direct to Consumer)事業の利益率改善につながると考えられています。

市場ではディズニーがストリーミング競争の勝者となる可能性があり、優れたコンテンツや知的財産、世界水準の制作陣が評価されています。ディズニーは幅広い事業領域を抱えており、動画配信事業の変化に適応する準備が整っているので、次の四半期決算の発表に期待がもたれているのです。