「健康寿命」という言葉をご存じでしょうか。厚生労働省の定義によると「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。「日常生活が制限される」とは、病院に入院したり、介護を必要としたりして、自立した生活を送れない状態にあることを指します。

これに対して「平均寿命」は、まさに生まれてから亡くなるまでの平均的な期間を指しています。ちなみに日本人の平均寿命は、厚生労働省の簡易生命表によると、2021年、2022年と2年連続で短くなっています。

この背景にあるのが、新型コロナウイルスの影響と言われています。なお2022年における日本人の平均寿命は、男性が81.05歳、女性が87.09歳です。

平均寿命と健康寿命の差は短い方が良い

平均寿命と健康寿命の関係ですが、両者のギャップはできるだけ短いのが理想です。

昨今では多くの人が病院で最期を迎えます。最近は「在宅死」を選ぶ人が徐々に増えているなどと言われますが、それでも病院で最期を迎える人の割合は約7割とされています。

当然、病院や施設に入れば、その分だけコストがかかります。老後のお金に対する不安感が拭い去れないのは、自分が動けない状態になった時、それでも日常生活を維持できるだけのお金が十分、手元にないと思っている人が多いからでしょう。

「ピンピンコロリ」などという言葉もありますが、多くの人はできるだけ健康な状態を維持しながら年齢を重ね、健康上の問題で日常生活が制限される期間をなるべく短くしたいと考えています。つまり平均寿命と健康寿命のギャップは、可能な限り短い方が良い、ということになります。