一般庶民も無関係ではない「遺産バトル」

Kさん家族のように、ご家族同士で「トクをした」「損をした」という騒ぎになることが、不動産の相続では非常に多いのです。

ご実家を処分することが決まっているのなら、話は簡単です。しかし、いざというときになって「やっぱり住みたい」と言い出すご家族がいると、土地・家屋は現金のように割りたいように割って、分け合えないために話が複雑になります。ここが証券や現金と不動産が決定的に違うところです。そこに、誰が介護をした、しなかった、という言い合いが火に油を注ぎ、さらに“もめにもめる”のもよくあることです。

それは、投資用の不動産であっても同じです。最初の取り決めでは現金化してきょうだいで分けることになっていても、「家賃収入があるから相続したい」という方が出てきて、もめてしまったりします。さらに、ごきょうだいだけならよいのですが、その配偶者が口をはさんでくることも多く、仲の良かった親族がバラバラになってしまうことも……。

ただ投資用不動産でいうと、最近大きく注目されているのが「不動産小口化商品」です。まだまだ認知が浅く、市場も大きくはないのですが、実はこれからの時代に非常にマッチした不動産のありかたではないかと私は思っています。後編【相続対策、少額から投資etc. いいことずくめに見える!?「不動産小口化商品」の注意点)】ではこの商品について、詳しく解説をしていきます。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。