「紙モノ」を上手にリスト化するポイント

財産目録の下書きのイメージで

リスト化のポイントは、手書き、パソコンで作成のいずれも、いきなり完璧なものを作成しようとしないことです。

60代はあくまでも、プレ終活です。長い人生ですから、いずれ残高も変動しますし、「紙モノ」整理が終わっていない段階では、あくまでも、財産目録の下書きのイメージで、気軽に取り組んでみてください。

手書きで見た目がキレイでなくても、リストを自分で作成することで、現状を把握できます。パソコンやタブレットなら、重要度順を変更したり、カスタマイズも自在です。なによりも、整理のプロセスで頭の中も整理できて、記憶に残るというのがメリットです。

上級者はパソコンやタブレットを活用しよう

デジタルに慣れている人は、もちろんパソコンで、エクセルなどの表計算ソフトを使ってもいいでしょう。写真のデータと同様に、パソコン本体に入れておいたほうが安心です。グーグルのスプレッドシートのように、クラウドに直接入ってしまうソフトもあるので、注意してください。

最近、iPadに、「フリーボード」という無料の純正アプリがリリースされました。手書き文字をテキストに変換したり、写真やふせんメモを貼ったりできるシンプルなソフトです。

前ページのイラストにあるように、重要書類の写真を入れていけば、リアリティのあるデジタル版のノートとなります。便利なソフトを安全に楽しく活用して、自分独自のリストやメモをつくってみてください。

そのほかに、終活やエンディングノートのアプリが多数出ています。しかし現状では、必要な項目だけ入力することができず、また、アプリの使い方がわからないと余計な手間がかかり、「帯に短し襷(たすき)に流し」というものが多いようです。

解約しにくい有料アプリに個人情報をまるごと入力しなければいけなかったり、セキュリティの問題も出てくるかもしれません。プレ終活では、自分の持っているモノだけを、自分でリストにすることを第一に考えてください。

『「これから」の人生が楽しくなる! 60歳からの「紙モノ」整理』

渡部亜矢 著
発行所 青春出版社
定価 1,650円(税込)