海外事業が好調 世界3位のビール会社に

アサヒグループは2009年頃から海外M&Aを積極化させてきました。米キャドバリーグループからシュウェップス・オーストラリア株式を約760億円で買収したほか、2016年には英SABとアンハイザー・ブッシュ・インベブから欧州のビール事業をそれぞれ約3000億円、約9000億円で取得しています。主要な案件だけでも、M&Aの総額は2兆円を超えています。

【アサヒグループの主な海外M&A】
・2009年:シュウェップス・オーストラリア社(豪州)
・2011年:インデペンデント・リカーグループ社(豪州)
・2016年:『ペローニ』『グロールシュ』などのブランド(欧州)
・2017年:『ピルスナーウルケル』などのブランド(欧州)
・2020年:カールトン&ユナイテッドブリュワリーズ社(豪州)

出所:アサヒグループホールディングス ファクトブック

巨額買収は2017年度から実を結ぶようになりました。アサヒグループの海外事業は2016年12月期に160億円の営業損失を計上しますが、翌期に売上高が6000億円に到達し黒字化して以来、2022年12月期まで6期連続の営業黒字を達成しています。10%台だった海外売上高比率も48%にまで上昇しました(2022年12月期)。今やアサヒグループはビール世界3位の巨大企業へと成長しています。

【海外売上高の推移】

出所:アサヒグループホールディングス 決算短信より著者作成

【世界の主なビール会社の売上高(2022年末までの1年間)】

  円ベース 外貨ベース
 アンハイザー・ブッシュ・インベブ   7兆6855.38億円  577.86億USD
 ハイネケン 4兆493.79億円 287.19億EUR
 アサヒグループホールディングス 2兆5111.08億円
 モルソン・クアーズ・ブリューイング 1兆4232.33億円 107.01億USD
 カールスバーグ 1兆3349.78億円 702.62億DKK

※円ベースは1USD=133円、1EUR=141円、1DKK=19円で計算
※売上高にはビール事業以外も含む

出所:ロイター