積立投資のシミュレーションをやってみよう

選択制DCやiDeCoの活用をちゅうちょしている方は、将来シミュレーションをしてみましょう。将来シミュレーションは、WEB検索で「積立投資 シミュレーション」等を入力すると、簡単に見つけられます。

シミュレーションに際して、運用利回りの入力を求められますが、ここも迷うポイントです。参考数値を二つご紹介します。

1.9% 企業型DCの想定利回りの平均値
   →退職金として企業型DCを導入する際、企業が設定するもの
3.9% 2023年5月末の運用利回り中央値

3.9%は野村證券受託のDC加入者全体の運用利回り(拠出来)の中央値です。対象者は約65万人なので、33万人が3.9%以上の運用利回りになっています。
※「2021(令和3)年度決算 確定拠出年金実態調査結果」企業年金連合会

運用期間が長い積立投資の魅力

運用利回り3.9%を実感いただくために、具体例を設定して考えてみましょう(簡易的に4.0%で計算)

Aさん
1993年生まれ(30歳)
毎月1万円ずつ、30年間、積立運用をした場合
投資元本 360万円
2.0%で運用できた場合  497万円
4.0%で運用できた場合  700万円

2.0%の運用であっても、140万円近い運用益ですが、4.0%で運用できた場合は倍近い金額になります。

4.0%の運用利回りはどうやって達成されるのでしょうか。毎日、運用結果を注視し、きめ細かに売買する、そんな加入者はほんの一握りです。多くの加入者は、最初に資産配分を決定して積立投資を続けているだけで、「ほったらかし」の状態です。資産配分についても、株式100%等のハイリスクではなく分散投資型が多いようです。

たとえばAさんの場合、株式比率を4割程度、残りの6割を国内債券、外国債券(新興国債券)、不動産投資信託、に割り振ると60歳時点の期待収益率が4.0%程度になります(野村證券DCの加入者専用WEBサイトのシミュレーション)。

利回りが高いということは、リスクも大きいため、運用環境が悪化すれば影響も大きくなり、一概に利回りが高ければいいとはいえません。ただ、Aさんが定期預金のみにしていた場合(0.01%で仮定)は、30年間積み立てたとしても361万円です。700万円と比較すると大きな差が開いてしまいます。

DC制度に出会った時にほんの少しだけ運用について考えるか考えないか、が将来的に大きな差に結びつきます。