商品別配分変更は少しずつ変更していく時におススメ
商品別配分変更は、毎月の掛金の資産配分を見直すためのものです。例えば元本確保型のみを保有していた人が、投資信託の活用に取り組む場合に有効です。
<例>
資産残高:50万円(定期預金のみ)
毎月の掛金:2万円
この場合、商品別配分変更で次の月からバランス型ファンド100%に変更すると、少しずつ、投資信託の割合が増えていきます。資産残高50万円を定期預金のままにしていても、商品別配分変更から1年ほどすれば、定期預金と投資信託の投資元本は2対1ぐらいになります。2年ほどでほぼ同額になります。
スイッチングによる利益確定売りが多かった時期もある
DC専用の投資信託残高を四半期ごとで見ると、2020年10月から2020年12月の間は、国内株式型投資信託の純資金流入額がマイナス96億円でした。同時期の投資信託全体への純資金流入額が829億円と、前4四半期の平均1,594億円の半分程度であることから、国内株式型投資信託の保有者の一定数が、値動きの少ない定期預金等の元本確保型にスイッチングした、と想定されます。
当時を振り返ると、2020年11月の日経平均株価は月次終値としては1990年7月以来30年4カ月ぶりの高水準といわれていました。「コロナショック」での大きな下げを経験した後だけに、上昇局面で運用商品見直しをした加入者が一定割合いたと考えられます。
利益確定は資産の一部で実施してみる
制度全体でみると、加入時に選択して以来、運用商品変更をしたことがない、という加入者が多いのも事実です。「なぜ変更しないのか?」を聞くと、「スイッチングのタイミングがわからない」「スイッチングした後にさらに運用環境が好転したら結局、損なのではないか」という意見が聞かれます。そうした時にお伝えするのが、次のような考え方です。
投資元本:100万円
運用結果:120万円
増えた部分の20万円をスイッチングして定期預金などの元本確保型に変更します。
将来の運用環境はわかりませんから、さらに上昇する場合も、下落する場合もあります。
このケースでは、スイッチングしなかった100万円で運用が続きます。その後、値段が大きく下がったとしても(20万円は元本確保型にしてあるので)80万円までであれば、投資元本は棄損しないことになります。逆に上昇したときには、100万円で運用を続けられるメリットがあります。
なお、120万円すべてをスイッチングして利益確定すると、その後も運用環境の好調が続いたときに値上がり益がとれないことになります。