投資詐欺のうたい文句は変化している
かつて投資詐欺と言えば、「元本保証で高利回り」をうたい文句にしたものが大半でした。しかし、それがあまりにもたくさん行われたため、「元本保証を提示して不特定多数の人からお金を集めるのは、出資法違反」という理解が、大勢の人たちの間に定着しました。
そのためか、「元本保証、高利回り」をうたって資金集めをすると怪しまれると思っているのか、最近の投資詐欺ではそれをうたわず、「好成績を収めている投資家が、みなさんに投資アドバイスをします」などと言い、高額のアドバイス料を取るケースが増えています。
もちろん、そのアドバイス通りに運用して失敗したとしても、「私たちは一切、元本保証などと言っておりませんし、そもそも投資ですから、もうかることもあれば、損をすることもあります」と言って、逃げられてしまうのです。
相手は詐欺師? 疑うべきポイント
ただ今回の事件に関して言えば、法令違反がたくさんあり、ある程度の知識があれば、だまされずに済んだ話でもあります。
まず「副業セミナー」と称して、「FXの有償オンラインスクール」の契約を迫ったという点は、「目的隠匿勧誘」という名目で、特定商取引法違反に該当します。
つまり本来の目的はFXの有償オンラインスクールへの勧誘であるにも関わらず、副業セミナーをかたっていた時点で違法行為になるのです。
しかも契約に際しては、「契約者に虚偽の事業者名等を記載した書面を交付」したということで、これは「虚偽書面交付」ということで、やはり特定商取引法違反に該当します。