お金の心配はするだけ無駄

言うまでもなく、生きていくにはお金が必要です。寿命は伸びる一方だし、健康の問題もつきまといます。この先、必要とされる金額はますます増えていくでしょう。預貯金がいくらあっても、不安の気持ちをぬぐえないのはよくわかります。

テレビや雑誌では「老後を豊かに暮らすためには1億円が必要」などという信じられないような金額が出現するので、不安はさらに加速されます。

しかし、ことわざにもあるように「無い袖は振れぬ」。お金はあるだけしか使えませんから、無駄な心配をしてもしかたないのです。

実は、シニア世帯の貯蓄額の平均は、1億円とはほど遠い1563万円です。しかも、この平均値は一部のお金持ちによって底上げされています。中央値(貯蓄額を多い順か少ない順に並べた際、真ん中に位置する金額)は450万円ですし、貯蓄がまったくない世帯も全体の約5分の1に及んでいます(金融広報中央委員会が毎年1回調査している「家計の金融行動に関する世論調査2021年」より)。

そもそも、自分が何歳まで生きられるかなんて誰にもわかりません。「1年に○○万円必要だから、〇〇万円×△△年(残り寿命)で……」と計算しても、たいして意味はないのです。

意味もないことで心配するのは時間の無駄です。心配すればするほど心身に悪影響が出て、病院にかかることになるかもしれません。そんなことになれば、ますますお金が必要になって、不安がふくらみます。

負のスパイラルに巻き込まれる前に開き直ることをおすすめします。