「有効求人倍率」とは?

有効求人倍率とは、企業が公共職業安定所(ハローワーク)にエントリーする仕事の数を、働きたい人の数で割って求められる倍率です。

仮に、企業がエントリーした仕事の数が100件あり、対して働きたい人が100人いた場合、有効求人倍率は1.0倍となります。

<計算式>
100件÷100人=1.0倍

つまり、企業がエントリーした仕事の件数と、それに対する求職者数の数がイコールの時、有効求人倍率は1.0倍となり、求人と求職が均衡していることになります。

では、企業がエントリーした仕事の数が120件あり、対して働きたい人が100人いた場合はどうなるのかというと、次の通りです。

<計算式>
120件÷100人=1.2倍

上記の計算式では、企業の求人数が、求職者数を20人も上回っています。つまり労働市場は「売り手市場」であり、少なくとも数字上では、求職者がみんな就職できて、なおかつまだ働き手が20人も足りない状態と言えるのです。

このように求人数が求職者数を上回るのは、一般的には世の中が好景気である証拠と考えられます。

過去の有効求人倍率

同レポートでは、2月時点の有効求人倍率が1.34倍とされました。過去の有効求人倍率をみると、バブル絶頂だった1988年から1991年にかけてのそれは、次の通りです。

<過去の有効求人倍率>

1988年・・・・・・1.01倍
1989年・・・・・・1.25倍
1990年・・・・・・1.40倍
1991年・・・・・・1.40倍

出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」

つまり有効求人倍率1.34倍という数字は、日本経済が世界で非常に高いプレゼンスを持っていた、80年代バブル期に匹敵する高さなのです。

ちなみにリーマンショックが起こった直後の2009年は有効求人倍率が最も落ち込んだ時で、この時の倍率は0.47倍でした。