完全失業率とは?

次に完全失業率を見てみましょう。完全失業率とは、15歳以上の働く意欲のある労働力人口に占める、無職かつ求職活動を行っている人の割合です。

この「無職かつ求職活動を行っている人」を完全失業者といい、さらに細かい定義を言うと、下記の3つの条件を満たしている人のことを指します。

<完全失業者の条件>

①調査期間中に全く仕事をしなかった
②働く意欲があり、仕事があればすぐに就業できる
③調査期間中に就職活動など仕事を探すための活動を行っていた

逆の見方をすると、働く意欲が無く、就職を諦めて就職活動の類をいっさい行っていない人は完全失業者にカウントされないため、実際に仕事をしていない人の全数に対して、完全失業率は低めに出ている可能性があります。この点には注意して下さい。

過去の完全失業率

ちなみに過去の完全失業率を見ると、最も高かったのが2003年の5.3%でした。この時期は日本で金融不安が非常に高まった時でもあります。

また、リーマンショック直後は2009年が5.1%、2010年が5.1%、2011年が4.6%と高めで推移していましたが、そこから低下傾向をたどり、2023年2月時点では2.6%となりました。

なお、80年代バブル経済における完全失業率は次の通りです。

<過去の完全失業率>

1988年・・・・・・2.5%
1989年・・・・・・2.3%
1990年・・・・・・2.1%
1991年・・・・・・2.1%

出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」