リスクを抑えた賢いレバレッジの使い方もある

ここまでは株式を用いてレバレッジの説明をしましたが、何もレバレッジの対象は株式だけではありません。レバナスが有名になったことで、レバレッジと言えば株式のイメージを持っている人も多いかもしれませんが、安全資産の1つである国債などにも当然レバレッジをかけることはできます。国債に2倍、3倍のレバレッジをかけても、当然のことながら株式よりもリスクは低く、これをリスクが高い投資だと思う人はほとんどいないでしょう。

では、同様の考え方で投資効率(リスク当たりリターン)が最も高いバランス型のポートフォリオにレバレッジをかけた場合はどうでしょうか。一般的に、株式や債券のみへの投資よりも、株式と債券に分散投資をしたバランス型のポートフォリオの投資効率は高い傾向にあります。このような投資効率の高いバランス型のポートフォリオにレバレッジをかけて株式と同等、もしくはそれよりも低いリスク水準に管理する商品は、レバレッジをかけているからと言って株式よりもリスクが高いかと言えば、そうではないと思います。これは現代ポートフォリオ理論に基づく効率的なリスク・テイクの手法であり、決して否定されるリスクの取り方ではないと私は思います。